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  • 日本の回答者が自国の課題と考えているものとして、気候や環境に関する懸念とともに生活費の高騰が上位を占めています。
  • 日本の回答者の多くは、気候中立経済への移行は、不平等にも同時に対処しなければ実現できないと考えています。
  • 回答者の3分の2以上が、航空セクターおよび化石燃料に大きく依存するすべての企業に対する補助金や税制優遇措置の廃止に賛成しています。
  • 過半数が、所得が最も低い層が気候関連政策に適応できるようにするための所得税増税を容認すると回答しています。
  • 回答者の4分の3近くが、気候変動を引き起こしてはいないのにその影響を受けている国に対して、政府が財政的補償を提供すべきだと考えています。

欧州投資銀行(EIB)は本日、気候調査の第6版を発表しました。20238月および9月に実施されたこの年次調査の特筆すべき結果の一部をご紹介します。 2018年から実施されているEIB気候調査は、欧州連合(EU)、米国、中国、インド、日本、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、カナダ、および韓国の3万人以上の回答を得て、世界の主要経済国の人々の気候変動に関する見解について洞察を提供するものです。EIBEUの融資部門であり、気候変動対策プロジェクトに対する世界最大の多国間融資機関です。

EIB気候調査の結果によると、インフレだけでなく記録的な熱波や干ばつに見舞われた困難な年を経て、日本の回答者は、気候変動の深刻な影響をますます強く認識するようになり、また、日本と世界で早急な対策が必要であるという認識もさらに強めています。生活費の高騰は、ほとんどの日本人回答者にとって最大の課題[1]ですが(回答者の68%が自国の懸念事項のトップ3に挙げている)、気候変動の影響と環境悪化も僅差で続いており、63%が主要な懸念事項と考えています。

国内および影響を受けた国における公正な移行への要求

回答では、所得格差が3番目に重要な課題となっており、日本の回答者の多くは、気候変動の緊急事態に対処するための公正な政策を求めています。回答者の62%(EUでは68%、米国では56%)が、低炭素経済への移行は、社会的および経済的不平等にも同時に対処しなければ実現できないとしています。

しかし、政府にはこうした公正な気候移行を実行する力があると確信しているとした回答者はわずか40%(EUの38%に近いが、米国の57%を17ポイント下回る)でした。

ドバイで開催される2023年国連気候変動会議(COP28)の主要議題となる予定の気候変動の影響に対処するための途上国への補償について、日本の回答者は、国境を越えて援助を拡大し、気候変動に対して最も脆弱な国を支援し、世界全体が気候中立性と回復力のある未来へ公正に移行することに賛成しています。

日本の回答者の72%(EUの60%、米国の63%を上回る)は、自国が、影響を受ける国に対し、気候変動対応への支援として財政的補償を行うべきだと考えています。


[1]回答者は、ランダムに並べた以下の10項目から、自国にとって最大の課題と考えるものを3つ選択するよう求められました:生活費の高騰、失業、気候変動、環境悪化、政治不安、所得格差、医療へのアクセス、大規模な移住、サイバー攻撃、テロ。

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公正な移行を支援するための税金

調査結果によると、日本の回答者の58%は、低所得世帯がグリーン移行費用に対処するための支援として、所得税増税をいとわないと考えています。回答者の45%は収入の1~2%の増税に同意し、13%は5~10%の増税に同意しています。

日本の回答者のほとんどは、他の気候関連対策にも賛成しています。たとえば、回答者の71%が、航空セクターや化石燃料に大きく依存する産業に対する補助金や税制優遇措置を廃止する、化石燃料税制改革に賛成しています。

EIB気候調査について

欧州投資銀行(EIB)は、気候変動に対する詳細な年次意識調査である第6回EIB気候調査を終えました。市場調査会社BVAとの協力で実施されたEIB気候調査第6版は、気候変動対策への態度や期待に関する広範な議論に情報を提供することを目的としています。202387日から94までに、調査対象35か国(EU27加盟国、米国、中国、英国、インド、日本、韓国、カナダ、およびUAE)の15歳以上の代表者パネルから3万人以上の回答者が調査に参加しました。

欧州投資銀行について

欧州投資銀行(EIB)は、欧州連合(EU)加盟国が所有する、EUの長期融資機関です。160か国以上で活動しており、EUの政策目標の支援に向け、健全な投資へ長期資金を供給しています。 

  • 2019年、EIBは新エネルギー融資方針を採択しました。これは、天然ガスなどの対策が講じられていない化石燃料エネルギー事業すべてへの融資を停止するという方針です。EIBは、国際開発金融機関として初めてこうした方針を採択したものです。 
  • また2021年には、EIBは、国際開発金融機関として初めて、パリ協定に合致した金融活動を行うことを定めました。 
  • EIBグループは、気候銀行ロードマップにおいて、気候変動対策と環境の持続可能性のために、極めて重要な期間である2021年から2030年までの間に1兆ユーロを投じる支援をすることを目指しています。 
  • また、2025年までに気候変動対策と環境の持続可能性への投資を年間融資の50%以上に増やすことを約束しました(昨年は58%で、目標を上回りました)。

EIBグローバルは、EU外の事業に特化したEIBグループの専門部門であり、EUグローバル・ゲートウェイ戦略の重要なパートナーです。2027年末までに、少なくとも1,000億ユーロの投資(グローバル・ゲートウェイ全体の目標の約3分の1)を支援することを目指しています。EIBグローバルは、チーム・ヨーロッパにおいて、他の開発金融機関や市民社会と協力し、強力で的を絞ったパートナーシップを育んでいます。EIBグローバルは、世界中の拠点を通じて、地域社会、企業、および機関と密接な関係を築いています。

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